本学会とのつながりと感謝




堀部 明彦











 日本熱物性学会の前編集委員会と2016年度の第37回日本熱物性シンポジウムの担当として,4年間多くの方にお世話になりました.これまで私も無理を言って皆様に原稿をお願いしてきましたので,僭越とは思いましたが,これまでの本学会との関わりで感じたことやお礼を記したいと思います.
 日本熱物性学会では,学会誌と論文集を兼ねている冊子として「熱物性」を年に4回発行しています.各種行事の案内,報告,特集記事や寄稿が非常に大事なコンテンツとして掲載されていますが,やはり論文集としては学術論文の掲載が必要です.本学会は専門学会ですので,非常に多くの論文が投稿されるわけではありません.前編集委員会としては,後々の論文の掲載予定を考えながら投稿のお願いをしておりました.もちろん,査読によっては掲載可否が決定されますので,当方の思惑とは異なる結果となることも多くありました.日本熱物性学会では,投稿論文の内容に対して特に専門家に査読をお願いすることが多いと思いますが,適切で厳しいご意見を頂いて修正等を行い掲載された論文は,英文誌等と比べてもレベルが高い内容となっていると考えております.多くの研究者の方に投稿いただいて論文掲載が継続されましたことにお礼を申し上げます.
最近は,研究者の評価にインパクトファクターや引用回数などが以前以上に重要視されるようになり,英語での論文化が業績としては有利な状況になっておりますが,一方で,本学会など国内の専門学会で高いレベルのチェックを受けた論文を発表することは評価されるべきであり,特に熱物性は科学・産業発展の基本情報として用いられる分野ですので社会的にも有用な発信と言えます.大きな学会に比べて事務的作業は小回りが利き,投稿者に沿った対応が可能な場合もありますので,是非,論文投稿をご検討ください.
余談となりますが,昨年盛大に開催された第11回アジア熱物性会議(ATPC2016:Conference Chair 長坂雄次先生)においてInt.J of ThermophysicsのゲストエディターとしてATPC特集号の担当をいたしました.「熱物性」掲載論文と同様にレベルの高い論文を国内外から20編以上ご投稿いただきましたことにお礼を申し上げます.一方で,すでにインターネット上に公開されている文章等と投稿論文の文章等の重複がチェックされるシステムとなっており,図や文が高い割合で重複がした投稿論文が何件か露見しておりました.これまで,熱物性を含め様々の編集委員等をした際には,このような重複を認識したことはなく,研究者は適切な行動が第一と改めて考えた次第です.
シンポジウム実行委員会には,平成15年の24回(実行委員長:稲葉英男先生)での幹事役と昨年度の実行委員長として岡山開催で2度関与させていただきました.前回の幹事役でほとんどの事務的なことは経験があると当初は楽観視していましたが,前回開催時は大学施設を借りることができたのに対し,今回の会場は公的とはいえ結構な会場費がかかり,一方であまり融通が利かないという状況で,当日まで色々と心配しておりました.多くの方にご参加いただき,何とか大過なく開催できまして心よりお礼申し上げます.特に,これまでシンポジウムでのあいさつ等で申してきましたが,当初発表申し込み件数が少なかった際に,学会会員,役員,評議会の方々にお願いしたところ,予定の発表に比べて自らが発表していただくなど皆様で盛り上げていただきましたことは,本学会の素晴らしさ,まとまりの良さを表すものとして,大変感謝しております.
最後に,私の恩師は,本会初代会長の関信弘先生と平成10年度会長の福迫尚一朗先生です.私が北海道大学に助手として採用された後の平成3年ころは,福迫先生が事務局担当の副会長をなさっており,色々とご苦労されていたことを思い出します.このようなつながりの深い本学会に携わることができて本当にありがたく思っています.


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