日本熱物性学会 2006年第1回役員会報告

 

1.日 時: 平成18128日(土)14001700

2.場 所: キャンパス・イノベーションセンター(田町)5階 リエゾンコーナー501

3.出席者:旧(2005)役員7人,新(2006)役員30

4.主な審議事項:

1) 新旧会長挨拶  藤井会長から,これまでの活動概要について説明があった。稲葉会長から新任のご挨拶があり,会員増強を目指すこと,今年の京都シンポジウムを成功させること,研究会を立ち上げ学会活動の活性化を図ること,会員が利用できる熱物性DBシステムを運用することなどの抱負が述べられた。

2) 新旧役員紹介  高橋事務局担当から以下の説明があった。新旧役員紹介は顔合わせが済んでいるのでここでは省略するが,役員名簿を配布したこと,この取扱いにはご注意いただきたいこと,本日の司会進行は,決算報告までは藤井 前会長が,その後は稲葉 新会長が進めること,などが説明された。

3) 事務的事項  高橋事務局担当から6件の議題の概要説明があり審議された。

(1) 科研費審査員候補者推薦  日本学術振興会へ本学会から研究者情報を提供する件について,本学会としても積極的に対応していくことが必要であり,会長と事務局とで適当な名簿をまとめることにしたいとの説明があり,特に意見がなく了承された。

(2) J-Stage電子ジャーナルへ熱物性誌の論文を登載することについて  熱物性編集委員会では少数委員の意見であるが概ね賛成とのこと。最近Web(機関リポジットリ)がオリジナルで,雑誌はその後に発刊されるという形態が普通になりつつあるので,登載することを編集委員会と事務局とで検討したいとの説明があり,意見は特になく了承された。

(3) 産総研TLOからのご提案事項  本学会では,熱物性DBの会員サービスシステムを構築することが懸案であった。藤井会長から,産総研TLOによる閲覧ソフトなどの使用許諾契約書が提案された。馬場担当理事から以下のような追加説明があった。産総研で開発した検索・閲覧ソフトが使えて,熱物性学会のコンテンツを収録して蓄積していくことで会員の利便性が高まる。具体的作業としては,この契約を交わし,DB管理に詳しい方にご協力願う。学会用サーバを用意してシステムを構築することになる。藤井会長から,システム構成をさらに検討し,今年から試行の形で進めたいのでご了解いただきたいと述べられ,特に意見は無く了承された。

(4) 会誌発行月の変更について  山田編集委員長から提案があり,会誌発行月を今年から25811月と変更したいとのこと。理由は,シンポジウム・総会の開催が10月〜11月であり,役員会の開催時期も1479月とされているので,発行される月が実質的には25911月とならざるを得ないため。特に意見は出されず,この件は了承された。

(5) 表彰委員会内規の改訂について  荒木規約等整備担当から付託された,覚書と表彰委員会内規について,高橋事務局担当から説明があった。昨年,貢献賞が新設されたことに伴い,覚書の表彰委員会の項が改訂されたため,本役員会に改訂版を配布し了承いただいた。学会賞の公募は,5月号やHPに掲載される予定とのこと。

(6) 会員名簿編纂について  高橋事務局担当から会員情報収集状況の説明があった。今年,HPの問題が解決され次第,依頼状を郵送したいのでご協力をお願いしたいと説明があり,了承された。

4) 26回日本熱物性シンポジウム報告  馬場実行委員長から次のような説明があった。講演が177件,OS9件,企業プレゼンが8件あったこと,温度標準などのセッションが盛況であったこと,プレ・シンポジウムの意味で開催したワークショップも60(参加者47人+講師)が集まり,独立採算制とした企画が成功であったこと,などが述べられた。また,シンポジウム会計について報告があった。機器展示が収入源として80万円あったこと,会場費が無料であったことなどにより,学会へ多額の繰り入れ(返戻)金ができた。論文集も体裁よく,しかも安くできた。それらは,シンポジウム事務局の努力が多大であったことによる。懇親会は当日参加申込が多くあり,また秋田大学の山田悦郎先生からお祝酒をいただいたことなどもあって,大変盛会であった。敷島製パンさんからはお菓子のご提供があったことと併せて,謝意が述べられた。

5) 27回日本熱物性シンポジウム準備状況  牧野実行委員長から,第1回会告に基づき説明があった。京都大学で107()89日の連休に開催すること,シンポジウム会場は吉田キャンパスの工学部物理系校舎で,熱測定学会とのジョイント開催となること,講演申し込み期限が630日,原稿提出期限が728日,参加予約申込み期限を98日とすること,シンポジウムに関する詳細は会誌5月号に掲載される予定とのこと,登録料関係は熱測定討論会側とのバランスを考えた金額にすること,懇親会は同額としたい,などについて説明があった。

6) 平成17年度決算報告について  高橋事務局担当から,決算書ならびに収支明細書について説明があった。収入の部は1216日現在の内容なので,小口会員情報担当から12月末までの会費収入状況の報告があり次第,修正する。それに伴って,若干繰越金が増える見込みであること,前年度繰越金の備考に前年度創立25周年記念募金の42万円を含むと明記すること,なお支出額はこれで確定であり,会計監査を受ける準備ができていることなどが述べられた。会計年度が平成174月1日から1231日までであり,平成17年内のことなので,今回から年度という言い方でなく,平成17年会計とすること,またこれらは会誌2月号に掲載されることなどが説明された。以上の報告について,異議なく了承された。

7) 平成18年度事業計画  稲葉会長から活動計画案の説明があった。総会は今年1081530〜,また今年の役員会は要項のページに記載したスケジュールで開催したい。高橋事務局担当から,第3回役員会を916()に開催し,総会議題・表彰者などの重要案件を審議いただくことが必要との説明があり,スケジュールが追加された。第28回日本熱物性シンポジウムは2007102426日の日程で開催される予定で,実行委員長には北海道大学の杉山先生をお願いしているとのこと。続いて,藤井会長から,ATPC2007First Announcementと準備状況の説明があり,HPを作成中とのこと。各種委員会活動について,各担当理事から補足説明があった。すなわち,馬場熱物性情報担当からは,熱物性DBシステムの立ち上げの話があった。長崎大学の山口朝彦評議員にご協力いただけること,熱物性情報委員会メンバーを組織すること,著作権問題も明確にして,CD収納のシンポ論文や,J-Stage登載論文などの熱物性学会のコンテンツを入れること,などが述べられた。その委員に指名された方には是非ご協力をお願いすると稲葉会長からも要請があった。稲葉会長から,研究会活動を活性化すること,まだフリーハンド状態であるが大西副会長の配布資料にある通り,二つの研究会を立ち上げて参加を募ること,他の研究会も考えて欲しいこと,25周年記念事業として,それらの成果を出版することも考えたいなどの説明があった。熱物性ハンドブックについては,馬場担当理事から,今年中に養賢堂から出版されるとの説明があった。なお,この委員会は長島委員長,荒木副委員長,そして馬場幹事らがお世話役で進めているもの。3月末を期限に原稿依頼中。稲葉会長から,これは本学会の財産となるので是非早く進めて欲しい,環境関係の物性データも収集してはどうか,ゴミ問題でプロジェクトはあるが物性データがないので困っている,などの話しがあった。熱物性編集委員会では会誌に掲載された「さーもふぃじしすと」のサロン記事をまとめて出版する計画があり,2月中に出版社に当たる予定であるとの説明が山田委員長からなされた。以上の事業計画について,異論無く了承された。

8) 平成18年予算案  高橋事務局担当から説明があった。収入の部は会費納入率80%の金額を見積もっていること,支出の部は企画活動関係に予算を組んでいること,25周年記念事業には昨年からの記念募金を充てること,DBサーバが必要であれば予備費から支出する予定であること,鴎友事業会へ会計業務委託料を支払うこと,などが説明された。平成17年繰越金額はこれより少し増額になる予定であるとのこと。この予算案については異議なく,了承された。

9)その他  牧野理事から,日本機械学会熱工学部門主催の講演会について参加案内があった。

  稲葉会長から,本会の役員として若手や女性の起用・育成が必要であり,研究会への参加も促したいとの話しがあった。また,研究会については,宇宙,食品,環境などに関する物性が大切であり,システムに関係する物性値や,対象を決めたときの物性をどのように求め評価するかなど,もっと生データを出して議論すべきであり,ある程度グループを組んで問題に対処することが必要ではないかとの話があった。                  (以上)