2026年 第47期会長挨拶




会長 白樫 了(東京大学)









第47期の会長を拝命いたしました,東京大学 生産技術研究所の白樫 了と申します.本学会では少数派の生体の関わる物性のうち,生体系の水の熱物性の測定法について研究をしています.微力ながら1年間,務めさせていただきますので,どうぞ宜しくお願い申し上げます.

本学会は,昨年の総会でご案内させていただきましたように,今期の総会において法人の定款についてお諮りする予定です.その承認をもって,一般社団法人「日本熱物性学会」を,翌年早々に登記することになります.これまで理事会・役員会では,法人化にあたって,会員の皆様が著しい変化を感じない,また,学会運営において不測の事態が起きないことに注力して参りました.会員の皆様がもっとも大きな変化と感じるのは,現状の「総会」ではないかと思っています.法人の規定上,「総会」には,一定数以上の正会員・法人会員の出席・委任を必要とすることや,3月までに開催すること等が,その主な変化です.理事会では,お手間を取らせない方法で出欠・委任の御返事をいただく方式を模索しています.また,熱物性シンポジウムの会期中に開催されていた現在のような総会については,その改廃を決める必要があります.これらの変化については,ひとえに会員の皆様のご意見,ご理解とご協力を,お願い申し上げる次第です.

さて,話は変わりますが,工学では物性は技術の変化によらず,モノづくりの設計に不可欠な普遍性が高い重要な概念であることを恩師よりお聞きしたことを思い出し,それほど重要であれば「何とか」物性学会という名前が他にも沢山あるのかと思い,安直にGoogleのAIに「物性と名の付く学会を教えて」もらいました.案に相違して,日本では日本熱物性学会のほかには1つの学会しか表示されませんでした.試みに英語で聞いてみたところ,”In the field of materials science, the term "properties" is a core area of study, but it typically appears as a subject area rather than directly in the society's official name.”との回答でした.日本でも学会の中に設置されている研究会等に「物性」を冠している組織は多くあるようです.重要な概念(core area of study)ではあるものの,あくまでも「特定分野で使うもの」というのが,大多数の(AIが世の中にある大量のデータから読み取った)「物性」の位置づけのようです.本学会は,熱や温度が関わる物性であれば,使われる分野を問わず受け入れることを標榜している学会です.今後は,いろいろな分野の学会で「物性」を冠している研究会とのつながりを作る活動も必要になるのではないかと感じております.自分の物性の測定法が思わぬ分野で使われる,という発見があるかもしれません.  

topへ