2024年 第45期会長挨拶




会長 山田 雅彦(北海道大学)









熱物性学会のホームページをご覧いただきありがとうございます.
このホームページでは,熱物性学会会員へと同時に,熱物性値を必要とされている方,熱物性とその測定に興味をお持ちの非会員の方をも対象に情報発信に力を入れております.

1980年11月に,全国の熱物性研究者の有志が集い,熱物性研究会を設立し第1回熱物性シンポジウムを開催しました.本学会は,以来40年以上にわたりシンポジウムを開催するなど熱物性研究の発展を目的として活動して来ました.

工学のみならず様々な分野において,物理現象を方程式で記述する際には何らかの物理定数が現れます.そのうち,物質に固有の性質を表すものを物性値と称し,様々な物質の物性値を用いることによって,すなわち、プロセスとプロパティを分離することで異なる物質における現象を一貫した方程式群で扱うことができます.特に熱に関わる物性値を熱物性値といいますが,熱物性研究者は,これまで多数の物質を対象に,また,温度や圧力など様々な条件の下で物性値の測定を行い,また,その測定方法に関する研究を行うことで,広範囲の分野に貢献しています.

熱物性シンポジウムは,そのような熱物性に関わる研究者の研究成果の発表と討論,情報の公開と収集の場として,また,熱物性情報を社会に還元する場として,毎年その役割を果たしています.そのため,熱物性シンポジウムの研究発表は測定データの重要性をも重視するとともに,発表者や参加者の間口を広げて,幅広い専門分野の方々にご参加頂けるようにしております.また、熱物性学会は,毎年のシンポジウムに加え,様々なセミナーや出版事業を通じて熱物性情報の共有をはかってきました.

現在,北米,欧州,そしてアジア地域と3地域において熱物性に関する国際シンポジウムが交代で開催され,アジア地域では,主として日本,中国,韓国の熱物性に関する学会により交代で開催されており,日本はアジア地域における熱物性研究の重要な役割を担っております.

熱物性研究は,あまり派手な注目を集めることはありませんが,熱物性値情報は,様々な分野における研究,設計,開発などに必要不可欠であり,本学会は,これからも学問的・社会的に重要な役割を担っているという自覚をもって,その役割を果たして行きます.
いま,熱物性の情報を必要とされている方,熱物性研究に興味をお持ちの方は,是非,熱物性シンポジウムやセミナーにご参加下さい(シンポジウムやセミナーの情報は,本ホームページの該当ページをご覧下さい).そして,熱物性学会がどのような学会で何をしているのか興味をお持ちになられたら,是非このホームページを入り口にして,我々熱物性研究者の仲間になって下さい.熱物性学会の会員となって我々とともにその役割を担っていただけますよう心よりお待ちしております.
 

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